ケアマネージャーは要介護・要支援の状態にある高齢者様やその御家族の相談に応じ、その心身の状況に応じた適切な介護サービスが利用できるよう、ケアプランを作成し、市町村や各介護保険サービス提供事業者、介護保険施設との連絡・調整を行う仕事をしております。

　ケアマネージャーが紹介(調整)するサービスの中にデイサービス(通所介護)があります。一口にデイサービスと言っても提供時間や『売り』にしているサービスはそのデイサービスによって様々。そのデイサービスの特徴を加味し利用者様に情報提供を行い、希望があれば利用に向け調整を行います。

　正直なことを言えば、デイサービス利用の提案は利用者様から最初拒否されることが多いです。しかし一度利用してもらえると気に入ってもらえることが多く「次はいつ行けばいいんだ？」と次回の利用調整を急かされることも多々あります。

　もちろんサービスを提供したデイサービスの職員の力もあると思いますが、なにもデイサービスでその利用者様だけに特別なサービスや集中した支援といったことが行われるわけではありません。それにも関わらず拒否していた意見が受入れのポジティブな意見に変わってしまう背景には、ひょっとすると『ただそのデイサービスという場所に存在した』ことに意義があったのかもしれないと思うことがあります。

　人が集まるところには自然発生的に相互扶助の関係が成り立ち、そこに集まった人たちそれぞれに『小さな親切』が発生していると思います。身体的な支援は職員が行うにしても、それではない何気ない会話や表情、心配りといった心の支援が利用者様同士の中で自然発生することで、「小さな親切をする」「小さな親切を受ける」といったお互い様の空気感が出来上がり、そこに居心地の良さを感じるのではないかな？と考えております。

　デイサービスはイメージ的にネガティブに捉えている方が多いことは承知しております。しかし、それでも状況によって我々ケアマネージャーはデイサービスの利用をお勧めすることがあります。それは身体的な支援や機能訓練の他にも利用者様同士の相互関係による心の支援があることを感じているから、なのです。